八ヶ岳建築探訪３．藤森照信さんの神長官守屋記念館。

2009年8月15日

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気がつけば終戦記念日。
昨晩、さだまさしさんのデビュー作の精霊流しという小説を読み終えました。
終盤の山場に、長崎での原爆被災者とそれを弔う精霊流しという行事が書かれていました。
たまたまですが、小説のエピソードの中で自然に原爆被災と戦争について考えさせられていただけに、
今日の終戦記念日は又感慨深い気がしました。
さて昨日に続き、まだまだ先日の建築探訪で見た物件で紹介しきれていない作品があります。
藤森照信さんの記念すべき建築デビュー作である、神長官守屋記念館。
藤森さんの作品は、これ以外にも天竜の秋野不矩美術館など好きなので幾つも見ています。
元々土壁のテクスチャーが好きな私にとって、藤森さんの土壁を自由にあやつる建築はとても馴染める気がします。

圧倒的な存在感の外観。

屋根は近場で産出される鉄平石で吹いています。屋根から木の柱が突き抜けているのが何とも不思議。
でも、後でちかくにあるヤシロを見てみたら、周囲を尖ったほうを上に向けて立てた柱が使われていた。
こういうのが、このあたりのやり方なのかもしれません。

中の展示の様子。
江戸時代に催された祭りの時のお供えの様子を再現したそう。
壁、天井と荒々しい塗り壁で仕上げてあり、どこか洞窟の中にいるような。

窓も独特の風合いがあります。木と鉄とガラスの融合。

どーんとダイナミックに開きました。
団体の来場者が居合わせてくれたお陰で、サービスがいいようです。
前回来た時には見れなかったので、ラッキーでした。

入りを入って左には、左官仕上げで塗りまわした階段が。
土から生え出したようなアイアンの手摺りとよくマッチしています。
横の木のベンチの風合いもとても感じよく出来ています。

その階段の先には、２階の資料収納室につながる跳ね上げ階段が。
とにかくここは跳ね上げ階段でなければならないという、藤森さんの強い意向があったとか。

階段が降りました。
これも、前回来た時は見れなかったもの。
団体客に感謝。

鉄板をくり貫いたスイッチプレート。
これも、背景の荒々しい塗り壁に良くあっています。
何と言うか、建築に対する情熱を感じさせてくれる力強い建物でした。
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